短編:井の中そこは暗闇の中だった。 目覚めた僕は君を探した。 何も見えない。 温もりを求めた手は空を切り、虚しく彷徨う。 ここはどこだろう、君はどこだろう。 漠然とした不安だけがつのる。 ふわふわと目眩がした。 不安をかき消すように、地面を踏みしめると真っ暗な世界に平衡感覚が戻ってくる...